このブログでは、行政書士試験で行政代執行法を含む行政上の義務の履行確保の分野が重要である理由を客観的にお示しします(後半では、少しですが学習方法、ポイントについてもの触れます)。
このようなブログを書くので、当然ながら行政書士試験受験生の中で行政上の義務の履行確保の分野が苦手な人は優先的に学習してくださいというのがアドバイスです。
1、行政書士試験の出題予想の難しさ
行政書士試験の出題予想は非常に難しいです。これは、各社予備校の模試や出題予想に記載されてある的中率からも分かりますし、的中したとされている問題でも、「それは的中と言えないでしょ」というのもあります(特定の予備校を指したものではなく、一般的な感覚としてです)。膨大なデータとプロの講師をもってしてもその的中率です。いかに出題予想が難しいか分かっていただけると思います。
その中で、効率を高める方法があるとするならば、頻出分野を潰したうえで、それにプラスして直前期に出る出題予想分野を潰す方法です。これは、あくまで効率的な方法であって、合格確率を高めるのであれば網羅的な学習が必要です。この合格までの効率性と合格の確率を高めることを両立することが非常に困難なことについては別の機会に取り上げたいと思います。
2、行政書士試験の鍵は行政法
行政書士試験における行政法の配点は112点と、全体の3分の1を占めています。つまり、行政法の出来不出来が合否を分けると言っても過言ではありません。
しかし、行政法の試験範囲は非常に広いです。行政法総論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法と多くの分野を含みます。そして、それぞれの中でも多くの論点があり、法律の条文数を少なくありません。さらに、行政法総論、行政事件訴訟法、国家賠償法では、判例も多く出てきます。ちなみにですが、行政手続法、行政不服審査法の判例は少ないですし、出題される機会も多くないです(ここだけ私の主観です。ただ、これを前提にお持ちの問題集を見ていただければ同じことを感じていただけるのではないでしょうか)。
行政法の攻略方法の1つとして、確実に取れるところを積み重ねるという方法を挙げることができます。全部を網羅的にするのがベストですが、全部を中途半端にするくらいなら、一つ一つ確実に点を取れるところを増やいしていく方が良いかもしれません(これは、個人によって変わってきます)。
3、行政法で年度に左右されることなく点が取れる可能性が高い分野
行政書士試験の難しさの1つとして、広い出題範囲に対して問題数が少ないということを挙げることができると思います。例えば、行政法総論では、行政組織法、行政行為、行政立法、行政上の義務の履行確保、行政罰等の分野があるにも関わらず、そこからの出題は3問程度です。
では、行政法の分野で年度に左右されることがなく点が取れる分野は何なのか。それが「行政上の義務の履行確保」です。その理由を客観的に示していきます。